Salesforce案件がこのタイミングで急激に減少している背景

前書き

「新型コロナの影響によるSalesforce導入計画の見送り」は今年の年始以降一定して発生してきましたが、それとは別に9月後半からSalesforce業界全体で新規案件数が加速度的に減少しています。

それに伴い、①提案時の単価の引き下げ②別従業員数領域へのターゲットの拡張(MM/GB→CBUなど)などの動きが"比較的著名なベンダにおいても"見られるようになってきました。

無論、この動きの背景にあるのは新規案件数減少に伴う①非稼働要員発生の防止②売上確保の二つなのですが、本記事ではそもそもなぜ新規案件数が"このタイミングで"減少しているのかについて簡単に解説していきたいと思います。

データの確認

まずは統計データを確認しましょう。

下記は過去五年間のSalesforceに対する検索関心度の推移です。検索関心度はSalesforceに対する新規問い合わせ数と正の相関関係にあり、ひいてはSalesforce新規案件数とも連動しています。

このデータに基づくと、「年末年始・ゴールデンウィーク・お盆休み」という局所的な季節性要因を除いてSalesforceへの検索関心度は5年間一定して上昇し続けてきたと言うことができます。

さて、問題はグラフの一番右側です。

グラフの値は9月の後半から急激に低下しており、現在の11月中旬まで下がり続けています。

これは過去5年間には見られなかった傾向です。

Salesforceに対する検索関心度が急激に低下しているというこの事実を踏まえた上で、次に、こうした傾向がSalesforceに固有なのかそれとも業界全般の傾向なのかについて調査してみましょう。

下記はそれぞれ、Salesforceの競合製品である"Kintone"、およびSalesforceの類である"CRM"と"SaaS"の過去5年の検索関心度です。

■Kintone

■CRM

■SaaS

いずれも11月前半の関心度が、企業活動が停止しているGWと同水準まで落ち込んでいることが確認できます。

結果として、9月後半以降の検索関心度の急激な低下(=新規案件数の減少)は少なくともSaaS業界全体の傾向であることが明らかとなりました。

要因

さて、ではなぜ「9月後半から」検索関心度の急激な低下(=新規案件数の減少)の傾向がSaaS業界全体で見られるようになったのかですが、結論としては「そのタイミングで企業側の予算が上期から下期に切り替わったから」という回答が挙げられます。

年二回の予算編成を行う企業においては、春以降のプロジェクト予算は3月の予算編成において決定し、秋以降のプロジェクト予算は8月~9月の予算編成において決定するのが一般的です。

たとえコロナ禍で売上が芳しくなかったとしても、3月予算で動いている間(3月~9月)は各企業の担当者も新しいITツールの選定を続けます。

しかし、そもそも来期プロジェクト予算がゼロ(=現状の固定費を維持or削減するだけの予算しかない状況)であれば、各企業の担当者は新たなITツールを探すことすらしません。

「コロナによる業績悪化が四半期決算処理の過程で明確となり、固定費削減のために来期プロジェクト予算の凍結を行う」

この動きが9月中旬から現在にかけて多くの企業において発生したことが、Salesforce案件がこのタイミングで急激に減少している背景と言えるのではないかと思います。

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Posted by regardie